人事労務問題を解決する就業規則の作成・改訂

「しりとり」(就業規則の周知性)

「しりとり」。

 

我が家でもお出かけの車中や休日の遊びの中でやります。

 

ウィキペディアによると、「まず参加者の一人が、最初に適当な単語を言う。以降の人は順番に、前の人が言った単語の最後の文字から始まる単語を言っていく。」ゲームだそうです。

 

また、特定のしばり(例えば、動物名だけ、植物名だけ、4文字の単語だけ)を付けたり、単語の最後の2文字をつなげたりするルールを付加するということも可能です。

最後の字が濁音(例えば、「ば」)である場合、その濁音を取った字もOKにすることもしばしばあります。(例:「カバ」⇒「ハナ」をOKにする)

 

明快なルールに加え、ルールをアレンジすることができるので子どもから大人まで楽しめます。

 

 

しかし、我が家の娘のルールはもっと自由かつ大胆なものです。

 

5歳児では、語彙が少ないので濁音から始まる単語がなかなか出てきません。

その場合、上述のように「濁音を取った字から始まる言葉でもいいよ」と言ってあげるのですが、それでも言葉が出てきません。

 

すると、濁音を取るだけでは収まらず、濁音の「行」に属する字まで使ってきます。

(例えば、「カバ」であれば、「バ行」の「ベントウ」をOKにする)

そして、「特別ルール」と頑なに独自ルールを押し付けてきます。

 

親子でする分には、許容できる範囲ではあります。しかし、友達などで独自ルールを連発すればケンカになるのでは・・・と親として心配をしています。

 

 

労使間においてトラブルが起きないに越したことはありません。

しかし、厚生労働省「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、都道府県労働局等による総合労働相談コーナーで113万741件もの相談がありました。9年連続で100万件を超えています。

残念ながら、この件数が大幅に下がる兆候は、今のところ見えていません。

 

しばしば労使間でトラブルになるものに、定額残業代や懲戒処分などがあります。

 

それらが有効性を持つ為には、就業規則や賃金規程等で明確にする必要があります。

(就業規則等の定めは、あくまでも要件の一つです。正しい運用については、別途お問い合わせください。)

 

このような会社(社長)ルールの運用には、就業規則等の根拠が必要であることが、だいぶ一般的に知られるようになってきたと思います。

その甲斐もあって、定額残業代や懲戒処分等について就業規則等に則った運用をされている会社が増えています。

 

しかし、正しい運用を行っているつもりでもトラブルが生じることがあります。

ここで問題となるのが、就業規則の「周知性」です。

 

労働契約法第7条、第10条では、労働契約の締結時や労働条件変更時において、就業規則が有効になるには労働者へ「周知」されていることが求められています。

 

第七条  労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。

 

第十条  使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。

 

「周知性」とは、労働基準監督署への提出の如何ではありません。

労働者に対して就業規則等が周知されているのかどうかがポイントになります。

 

法定での争いになった場合、この就業規則の「周知性」については、会社側が証明しなければなりません。

「事務所の棚に設置して誰でも閲覧できるようにしている」ことで労働者に対して周知できていることを証明するのは、困難なわけです。

 

労使トラブルを防止する為に就業規則の作成は必須です。

だけど、作成するだけでは全く意味をなさないのです。

当然ですが、使用者も労働者も認知しなければ、それはルールではありません。

親子のしりとりと同じようにはいかないのです。

 

「就業規則は作っている」と言われる社長ですが、本当に作っているだけではダメなのです。

社会保険労務士として気掛かりです。

 

 

就業規則を正しく「作成」していますか?

就業規則を正しく「運用」していますか?

就業規則を正しく「周知」できていますか?

 

 

社会保険労務士 秋野 高大

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