やっぱり作っておきたい労働条件通知書
こんにちは
社会保険労務士法人カオスの宇城です。
新生活のシーズンが近づいてきました。
新卒の従業員さん等、入社が多い季節でもあります。
そこで今回は、入社にあたって用意しておきたい労働条件通知書について書いてみようと思います。
■労働契約について
労働契約は労働契約法第6条に「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」とあり、当該契約内容の書面作成・交付については求められておりません。
■労働基準法による労働条件の明示
ところが、労働基準法(以下、「労基法」という。)第15条では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」とあり、また労働基準法施行規則(以下、「労規則」という。)第5条第4項により、書面の交付が求められていることから、労働条件通知書の作成および交付は必須と言えるところです。
上記より、労働契約を締結していないから、労働契約が無効となるわけではありませんが、労働条件通知書の作成・交付をしていない場合は労基法第15条違反として、30万円以下の罰金に処せられます。
また、労基法違反も去ることながら、口頭での労働契約だと「言った、言わなかった」のトラブルにつながるため、労働条件通知書についてはぜひとも作成しておきたいところです。
■労働条件通知書の明示事項
労働条件の明示については労規則第5条第1項に規定があり、以下の事項を明示する必要がございます。
(1) 労働契約の期間に関する事項
(2) 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)
(3) 就業の場所及び従業すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)
(4) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(5) 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(6) 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(7) 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(8) 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(9) 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(10)安全及び衛生に関する事項
(11)職業訓練に関する事項
(12)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(13)表彰及び制裁に関する事項
(14)休職に関する事項
※(1)~(6)は書面の記載必須。ただし(5)の昇給に関する事項は除く。
※(5)の昇給、(7)~(8)はパートタイマー等の短時間労働者や有期雇用労働者(以下、「短時間・有期雇用労働者」という。)には書面記載必須。加えて「相談窓口」の記載も必要(パートタイム・有期雇用労働法第6条)。
※(9)~(14)は口頭での明示でも可。
正社員と短時間・有期雇用労働者とで労働条件通知書への記載必須事項が異なるのですが、実務としては、大は小を兼ねるで、短時間・有期雇用労働者向けの労働条件通知書を作成し、正社員の労働条件通知書も兼ねるような体裁のものだと記載もれが生じにくくなるのでおすすめです。(厚労省の以下、労働条件通知書のサンプルが参考になります。)
モデル労働条件通知書
労働条件通知書の作成はスポット依頼でも承っておりますので、ご興味のある会社様はぜひ、お気軽にお問合せください。
ありがとうございました。







