退職金制度の設計

退職金とは、退職した労働者に対し支払われる金銭のことを言います。日本では、終身雇用の観点から退職後の生活保障として導入している会社が多く、一般的なものとして広く認知をされています。
退職金制度は法律で設置を義務付けされている制度ではありません。退職金制度を導入するかどうか、どのような制度にするか、いくら支給するのかは会社が決定することができます。

退職金は、月々の給与とは異なり、支給されるまでの期間が非常に長くなるため長期に渡っての視点が必要とされます。事前に、発生が想定される諸問題を検討し、それらに対応可能な状態にしておかなければなりません。御社にとって最適の退職金制度をご提案いたします。

中小企業によくある退職金の問題点

  1. 1制度導入から一度も退職金制度を見直していない

    終身雇用制度と年功序列制度は、これまでの日本企業において正に象徴的な雇用制度でありました。退職金制度についてもその多くが同様に年功型で設計されていました。
    しかし、近年の時代の変化と共に、これらの制度は維持することが難しくなってきており、また、成果型の報酬制度などが台頭してきました。
    旧来から使われていた最終給与比例方式や定額方式から、近年では別テーブル方式やポイント方式が導入されてきています。

  2. 2資金準備をしていない

    上述のとおり退職金制度の設置は法律で定められた義務ではありません。しかし、一旦退職金制度を規定してしまうと、法的に退職金を賃金として扱わなければならなくなります。つまり、会社の業績が不振であるからといって、退職金の支払を免除できなくなるということです。
    退職金制度や従業員の構成等に合わせた計画的な資金準備が必要になります。

  3. 3当初の想定を超える退職金額になっていてもすぐには気が付かない

    退職金は、従業員の退職によって支給することとなります。制度の導入時に想定していた状況(退職金額、会社業績、物価)が、20~30年後の支給時には異なっていることは容易に想像できます。
    現行の中小企業の退職金制度の多くは、以下の算定方式が採用されています。

    退職金額=退職時の基本給×勤続年数係数×退職事由係数

    その為、長期勤続者が退職する場合、勤続年数が長いことに併せて基本給が高いために支給水準が高くなっています。
    そして、支給の段になってそれに気が付くことになります。

カオスの退職金制度

退職金制度は、会社ごとに千差万別です。それは、そもそも退職金への考え方(退職後の生活保障として、長期勤続に対する功労報奨としてや賃金の後払いとして等)が会社ごとに異なるためです。
まず、御社にとっての退職金がどういうものなのかというところからヒアリングをすることで退職金の位置付けを確定いたします。
その上で、将来に渡って支給ができ、また問題社員に対する対策等を含めた長期的な視点で制度を構築していきます。

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