助成金の申請

イクメン達の集い(男性の育児休業)

ゴールデンウイーク。

 

いつもの居酒屋でいつものメンツ。

毎年、年始とゴールデンウイークの2回、中学・高校の同級生と集まっています。

 

20年来の付き合いで、容姿は多少おじさんになっていますが、皆で集まると気持ちはまだ当時のまま変わっていません。

学生当時と全く変わらずバカな話に花開きます。

 

しかし、これまでと一点だけ違いがありました。

それは、この1年程で全員が父親になったこと。

 

子どものオムツ替え、お風呂、夜泣き、習い事・・・という話題が普通に飛び交います。

割と子育てに協力的のようです(僕は除きます。下の子のオムツ替えた記憶がありません・・・)。

 

そんな子育てに協力的なイクメン達ですが、育児休業の話をふると頭に❔マーク。

自分達が育児休業を取る感覚は持っていないようです。

 

 

政府は、2020年度までに男性の育児休業の取得率を13%に引き上げることを目標にしています。

しかし、依然として男性の育児休業の取得率は低迷しています。

厚生労働省の「平成27年度 雇用均等基本調査」によると、男性の育休取得率は2.65%だそうです。

前年度は2.30%ですので、微増はしていますが目標までは程遠い現状です。

 

男性の育児休業の取得率が伸びない原因は種々ありますが、その一つに男性の育休取得にかかる諸制度についての認知度の低さが挙げられます。

 

男性の育児休業に関するポイントを以下にまとめました。

法の改正により、内容が変更になっているものもあります。

御社の育児休業の運用は、法改正にあわせて適法になされていますか?確認してみてください。

 

 

1.「育児休業給付金の給付割合の引き上げ」

平成26年4月から育児休業給付金の給付割合が引き上げられています。

休業開始時賃金日額の 50%  ⇒  67%(育休開始から6ヶ月経過後は50%)

 

育児休業給付金は非課税のため、所得税がかかりません。

また、育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除されます。給与所得がなければ、雇用保険料も発生しません。

 

これらにより、手取り賃金で比較すると、休業前の約8割が支給されると厚生労働省でもPRしています。

 

2.「パパ・ママ育休プラス」

「パパ・ママ育休プラス」とは、男性の育休取得促進を図る観点から、両親ともに育休をした場合に特例を設けるものです。

内容として、両親がともに育児休業を取得する場合に、育児休業の対象となる子の年齢について、「原則1歳まで」となるところを「原則1歳2ヶ月まで」に延長する(ただし、育休が取得できる期間は、従来通り1年間です)制度です。

 

<要件>

①育休を取得しようとする男性従業員の配偶者が、子どもの1歳の誕生日の前日よりも以前に育児休業をしていること

②男性従業員の育休開始予定日が、子の 1 歳の誕生日以前であること

③男性従業員の育休開始予定日が、配偶者が取得している育休の初日以降であること

 

3.「配偶者が専業主婦であっても男性従業員が育児休業を取得」

平成21年改正前においては、配偶者が専業主婦である場合等、常態として子を養育することができる従業員からの育休取得の申出を事業主が拒むことができました。

しかし、改正後はこれを廃止し、専業主婦家庭の夫であっても育休の取得が可能になりました。

 

4.「出産後8週間以内の父親の育休取得促進」

原則、育児休業は1回しか取得できません。

しかし、配偶者の出産後8週間以内に、父親が育休を取得した場合、特例として育休を再度取得できるよう要件が緩和されています。

 

 

というような制度を整備していました。

 

 

5.「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」

さらなる促進制度として、厚生労働省では、男性従業員の育休取得推進に向け、「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」を設けています。

 

本助成金は、男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組を行い、男性に一定期間の連続した育児休業を取得させて事業主に支給されるものです。

 

<要件>

①男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りのために次のような取組を行うこと。

・男性従業員に対する育児休業制度の利用促進のための資料等の周知

・子が産まれた男性従業員への管理職による育休取得勧奨

・男性の育休取得についての管理職向けの研修の実施

②男性が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上(中小企業)の育児休業を取得すること。

 

<助成額(育休1人目)>

中小企業:57万円(生産性要件を満たした場合:72万円)

中小企業以外:28.5万円(生産性要件を満たした場合:36万円)

 

 

近年の傾向として、従業員がワークライフバランスを意識しており、また、男性も育休取得に前向きであるという統計結果が出ています。

男性従業員の育休取得の促進は、企業イメージの向上につながります。

中小企業において、経営課題の一つである求人について、男性の育休促進がその一助になるかもしれません。

 

男性従業員の育児休業、促進してみませんか?

 

 

社会保険労務士 秋野 高大

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