たまの贅沢で気付いたこと(人事評価改善等助成金)
4月上旬。
休みをいただき、淡路島へ家族旅行に行ったときの話。
普段なら真っ先に削減される宿泊費を奮発し、淡路島では一流グループの温泉旅館に宿泊しました。
(結婚してからコツコツと貯めていたクレジットカードのポイントを一気に吐き出したから行けたのですが・・・)
旅館に到着し、入口の自動ドアが開くと、空と海が一望できるテラスが。
紀淡海峡や 和歌山の友ヶ島まで見渡せます。
部屋ももちろん海に面しており、大きくとられた窓は素晴らしい日の出を見る特等席となりました。
選べる浴衣は、子ども用のものにも種類があって、娘が嬉しそうに浴衣と帯を選んでいました。
もちろん、到着してすぐ、食後、朝食前の3回、十二分に温泉を堪能しました。
淡路島は、古代「御食国(みけつくに)」として、朝廷に食材を納めていたそうです。
お造り、淡路牛のステーキ、鯛のしゃぶしゃぶ、何を食べても非の打ち所がありません。
素晴らしい景色にモダンな建物、充実したアメニティー、開放的な温泉、提供される食事・・・全てにおいて我々を満足させてくれました。
そんな中、最も印象深く満足したのは、従業員のサービスでした。
食事の際、乳児がいたので、気にかけてもらい空いた器をこまめに下げてもらったり、都度笑顔で子どもに声をかけてくれたり・・・
比較的人見知りなうちの娘も嬉しそうに「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と言っていました。
特別な事をしてもらったわけではありませんが、こちらが気持ち良く過ごせるような気遣いがとても心地よく、おかげで特別な時間を過ごすことができました。
朝食を食べた終わった後に担当いただいた方と少しお話をしてみました。
すると、我々が感動したサービスについて、入社してからしっかりと教育訓練を受けており、自分達がとるべき行動が記された基準があるそうです。
若い従業員が多かったように思いますが、皆きびきび動いており、かつ笑顔での応対にも納得でした。
4月に入り厚生労働省の助成金が発表されています。
昨年度のものから一部内容が統合され、複数の助成金で生産性の向上が要件として求められるというのが特徴です。
そして今年度、「人事評価改善等助成金」が新設されました。
ざっくりとした概要は、生産性向上につながる人事評価制度と賃金制度を整備し、生産性の向上、賃金増加と離職率の低下を図る事業主に対して助成されるというものです。
本助成金は、2つの段階から成ります。
Ⓐ制度整備助成:50万円
生産性向上のための人事評価制度と賃金増加を含む賃金制度の整備を行った場合に支給されます。
Ⓑ目標達成助成:80万円
Ⓐに加え、1年経過後に人事評価制度等の適切な運用を経て、生産性の向上、労働者の賃金の2%増、離職率の低下に関する目標のすべてを達成した場合に支給されます。
ポイントは以下の4点です。
①生産性の向上につながる人事評価制度と賃金制度の整備
②生産性の向上
③賃金増加
④離職率の低下
今年度、様々な助成金で、「生産性要件」が問われます。
これは、「我が国が、今後労働力人口の減少が見込まれる中で経済成長を図っていくためには、個々の労働者が生み出す付加価値(生産性)を高めていくことが不可欠である」と考えられるからです。
生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)/雇用保険被保険者数
生産性要件=助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に比べて6%以上伸びていること。
人事評価制度や賃金制度の役割は、従業員の評価をし、賃金額を決定するだけではありません。
会社の理念や目標を明確にし、また、従業員の能力を向上させる役割があります。
助成金を受給することだけを目的とするのであれば、本助成金は全くおススメしません。
人事評価制度や賃金制度の構築には、多大な労力と時間が必要です。
さらに、本助成金の受給には「生産性要件」を満たす必要があります。
従業員の能力を向上させ、働きがいを創造し、ひいては顧客をより満足させたいという経営者にご活用いただきたい助成金です。
御社に人事評価制度はありますか?
その制度は、会社の理念や目標を明確に伝えていますか?
その制度は、従業員の能力向上や顧客満足に貢献していますか?
「人事評価改善等助成金」、これらに該当する人事評価制度や賃金制度を創っていきたい経営者におススメです。
社会保険労務士 秋野 高大